宮崎県都城市消防局は12日までに、市内施設で7月21日発生した救急患者の搬送に際し、救急隊が同名の別施設に誤って出動し、10分以上到着が遅れる事案があったと公表した。職員が所定の手順や確認を怠ったのが要因。搬送された70代男性は医療機関で死亡した。
消防局によると、本部の指令員が携帯電話で通報を受けた際、指令システムに聴き取った施設の場所を登録せず、携帯電話の発信位置情報のまま出動指令を行った。このため、出動先とずれがある発信位置情報が救急車のモニターに示された。救急隊は出動場所を記した指令書を携行していたが確認せず、モニターが示す最寄りの施設に向かった。本来向かうべき施設は3.5キロ離れていた。
搬送先の医師からは「影響があったことは考えられるが、到着遅延と死亡との明確な因果関係は不明」との見解が示されたという。
男性は最初の出動指令から12分後に出動した別の救急隊が搬送したが翌日死亡した。消防局は遺族に謝罪、再発防止を図るとした。