5年遅れの「50歳組」レセプションで記念撮影する参加者ら=阿久根市赤瀬川のABCパレス
鹿児島県阿久根市は今年55歳を迎える人たちを招き、名物行事「華の50歳組」レセプションを開いた。50歳だった2020年に新型コロナウイルス流行のため一連の行事が中止された世代が県内外から約160人集まり、5年遅れで旧交を温めた。
「華の50歳組」は、50歳を迎える卒業生が母校の運動会や市のレセプションに集まり、改めて絆を結び直す。1951(昭和26)年に阿久根小学校で始まり、2020年は70回の節目となるはずだった。
「東京五輪や鹿児島国体が重なった記念の年で、張り切っていた」と実行委員会の中野美樹さん(54)=同市波留。案内状を出したが、感染防止のため集まることはできなかった。「中止は前代未聞。悔しいが仕方ないとあきらめた」
大人が楽しむ姿を間近に見て育ち、30代から名簿作成などの準備を進めたという。喪失感は大きく「ずっと心のどこかに穴が開いたままだった」と、実行委メンバーらは口々に語る。
50歳組の行事はコロナ禍が一段落した22年に復活。昨秋、市から55歳の節目に合わせたレセプションを打診された。実行委は「GOGO! 華の55歳組」と銘打って活動を再開。合わせて出身校ごとの同窓会やミニバレー、バーベキューなどが企画された。
レセプションは市内のホテルで10日にあり、尾崎小学校出身の川崎徹志・市立図書館長(54)が「われわれはいろいろなことに直面してきた世代。未来に幸あれ」とあいさつした。名古屋市から帰省した大川小学校出身の看護師、宮田ひろみさん(55)は「本当は運動会に参加したいが、みんなと会えたのがうれしい」と満面の笑み。中野さんは「これからGOGOと元気に交流を深めたい」と話した。