霧島の大雨から11日、猛暑で泥は固まりスコップが入らない…復旧ボランティアを体験して感じた「助け合いの精神」の大きさ

2025/08/20 11:09
玄関先の泥をかき出すボランティア=19日午前10時ごろ、霧島市隼人町姫城
玄関先の泥をかき出すボランティア=19日午前10時ごろ、霧島市隼人町姫城
 8日の記録的大雨で鹿児島県霧島市、姶良市では住家の浸水被害が相次いだ。泥のかき出しや畳上げなど片付けを担うボランティアは、被災者支援に欠かせない。19日、霧島市内で活動に参加した。外での作業は厳しい暑さとの闘いだった。

 午前9時、国分総合福祉センターで受け付けを済ませ、注意事項の説明を受けた。派遣先に必要な人数がそろうと送迎車で移動。スコップや一輪車、軍手といった必要なものはセンターから借りることができた。

 依頼された現場は、隼人地区の50代女性宅。5人で手伝いに向かった。女性によると、泥水が家の中まで流れ込んだ。「浸水に気づいた時は頭が真っ白になった。玄関に靴が浮いていた」と振り返る。被災から10日以上たち、泥が乾いていたためだろうか。臭いはほとんど感じなかった。

 畳や洗濯機は水に漬かって重くなり、1人ではとても持ち出せない。搬出班と泥の除去班に分かれることになり、泥のかき出しを担当した。玄関前に残った土砂は乾いて硬く、スコップが進みづらい。途中からは、くわでかき出した。

 開始5分で額から汗が噴き出す。泥をかき出すたび体力が奪われるよう。500ミリリットルのペットボトルのスポーツ飲料があっという間になくなった。センターでもらった飲み物や塩分補給のあめを分け合って、熱中症に気を付けた。

 約2時間後、センターに戻って休憩。現地で昼食を取る場合もあるため、センターは食べ物の持参を勧めている。午後0時半から同じ家で作業を再開し、2時間後に活動を終えた。1人だと重労働でも、複数で手分けすれば短時間で済む作業もあり、人の力の大きさを実感した。女性は「重い畳や土を出してもらい助かった」と喜んだ。

 活動には、鹿児島市や曽於市など霧島市外からも参加していた。鹿児島市の防災士、山下智さん(64)は「平日も人手が必要ではと思い参加した。初めてで熱中症など心配もあったが、1人ではなくみんなで活動したので勇気をもらった」と話した。

鹿児島のニュース(最新15件) >

日間ランキング >