重機が入って本格化した校庭の復旧作業=19日、鹿児島県姶良市加治木の竜門小学校
「子どもたちが安心して学べる環境を整えたい」。記録的大雨に見舞われた鹿児島県の霧島、姶良両市の学校では、校庭や農場に被害が及び、学校行事や実習授業への影響が避けられないケースもある。教職員は影響をできるだけ減らそうと対応を急ぐ。
姶良市の竜門小学校では、東側を流れる網掛川があふれ、大量の土砂が校庭に流れ込んだ。学校によると、サッカーゴールは崩落した近くの中田橋まで流され、滑り台や体育倉庫も壊れた。児童クラブや消防団の詰め所が入る敷地内の施設は浸水した。
9月28日に運動会を予定していた。西耕治校長(57)は「場所と日程は白紙。子どもと地域の方々が楽しみにしているので何とか実施する方向で進めたい」と話す。
霧島市の国分中央高校は、園芸工学科が実習で利用する小畑農場の前を流れる郡田川や用水路が氾濫し、最大1メートル超の高さまで浸水した。農業機械やトラクターは水没。畑やハウス、生徒が育てる野菜も漬かり、夏休み明けの実習が困難な状況だ。
「9月中の復旧を目指す。生徒の学びを止めないよう精いっぱい復旧に努める」と農場長の小脇拓教諭(40)。畑の土壌は汚染されている可能性があるため、消毒や土壌改良が必要とみる。夏休み明けに予定していた夏野菜の収穫作業は延期し、座学を優先するという。
霧島市の富隈小学校では、校舎裏の斜面が高さ約3メートル、幅約5メートルにわたり崩落した。今後、崩れた土砂や石垣を撤去し、斜面を覆う防護壁を造る予定。
授業への影響はないが、向江村真一教頭(52)は「子どもたちが安心して通える最良の環境を整えるため、市と連携し対応していく」と語った。