〈沖縄よりも赤く…もはや発生地〉8月19日の日本付近の海水温の高さがよく分かる地図を見る
21日午前、鹿児島県薩摩川内市の西海上に発生した台風12号は、熱帯低気圧から急速に発達し、県本土に上陸した。今年は東シナ海に海面水温の高い海域が広がり、日本のすぐ近くで台風が発生しやすくなっていたのが要因だ。
台風12号は当初、沖縄の南にあった熱帯低気圧だった。気象庁は18日午前、「12時間以内に台風に発達する見込み」としたが、想定より遅い速度で熱帯低気圧のまま北上。19日には「台風に発達する可能性は小さくなった」と発表していた。
予想に反して台風となったことについて、鹿児島地方気象台の津波古悟主任予報官は「上空の寒冷渦(寒冷低気圧)が西に進み、寒冷渦に流れ込む乾いた空気の影響がなくなったため」と説明する。乾いた空気が熱帯低気圧の発達を抑制していたが、阻害要因がなくなり、急速に発達したという。
気象台によると、北緯30度以北で台風が発生するのは珍しいが、今夏は海面水温が30度と高く、日本近海で台風が発生する可能性が指摘されていた。今年は上空の偏西風が北寄りに流れるため、台風の速度は上がらず、西に張り出した太平洋高気圧の縁をゆっくりと進む見込み。