【台風情報】JR在来線や市電、22日午前も運休 夕方にかけ線状降水帯の恐れも 上陸した日置、3時間で182ミリ

2025/08/21 23:21
一時、氾濫危険水位を超える3.70メートルを記録した神之川。消防が排水作業に当たる=21日午後5時43分、日置市伊集院
一時、氾濫危険水位を超える3.70メートルを記録した神之川。消防が排水作業に当たる=21日午後5時43分、日置市伊集院
 台風12号の影響で鹿児島県内は21日、交通機関の運転見合わせが相次いだ。22日もJR在来線や鹿児島市電、海の便の一部は、午前を中心に運休が決まっている。

 JR九州によると、鹿児島線の川内-鹿児島、日豊線の鹿児島-国分、指宿枕崎線の鹿児島中央-枕崎は、22日始発から夕方まで運転を見合わせる。いずれも21日夕に運行を取りやめた。

 鹿児島-国分は、霧島市や姶良市が記録的大雨に見舞われた8日から運休が続き、21日に運行を再開したばかりだった。九州新幹線は通常通り運行する。

 肥薩おれんじ鉄道は、阿久根-川内で22日始発から運転を見合わせ、安全確認後に再開する。

 鹿児島市電は21日、各地で軌道が冠水したため、夕方から運休した。市交通局によると、22日早朝から点検し、再開は午前9〜10時以降の見込み。市バスは通常通り運行する。

 海や空の便も21日、欠航が相次いだ。22日は種子・屋久航路の高速船「トッピー」「ロケット」、フェリーはいびすかすが午前の便の欠航を決めた。鴨池・垂水フェリー、桜島フェリーは状況を見て再開を判断する。

 道路は21日午後10時現在で全面通行止めとなっているのは、南九州自動車道の薩摩川内水引インターチェンジ(IC)-鹿児島西IC、国道225号の鹿児島市平川町長谷迫-下福元町影原の3.8キロ。他に8日の記録的大雨の影響で、姶良市の国道10号網掛橋や県道計16カ所で通行止めが続いている。


 気象庁は21日午前9時、薩摩川内市の西の海上で台風12号が発生したと発表した。午後5時すぎに日置市付近に上陸し、県本土を東へ進んだ。同市の3時間雨量が観測史上1位の182.5ミリを記録するなど各地で大雨となり、浸水被害が相次いだ。鹿児島地方気象台によると、台風12号は動きが遅く、県内では22日夕にかけて線状降水帯が発生して大雨災害の危険性が急激に高まる可能性がある。

 県内では21日、いちき串木野市付近で1時間の解析雨量が約120ミリに達した。日置市で1時間に96.5ミリの猛烈な雨、薩摩川内市八重山で67.5ミリの非常に激しい雨が降った。日置市の21日の総雨量は270ミリで、平年の8月1カ月分の雨量を超えた。20日午後6時の降り始めから21日午後10時までの雨量は鹿児島市喜入256.5ミリ、南さつま市250ミリ、指宿市233ミリ。

 台風に伴う大雨で、南九州市では万之瀬川支流の大谷川が一時氾濫し、川沿いの複数の家屋が床上浸水した。台風が上陸した日置市の神之川荒瀬橋付近でも氾濫危険水位を超え、一部で越水した。いちき串木野市では住家1戸が床上浸水。薩摩川内市では床上浸水2棟、床下浸水1棟が確認されている。

 県内は21日午後10時半現在、鹿児島市の約7万5000世帯など8市約23万世帯に避難指示が発令され298人が避難している。

 県内の幹線道路は大雨で冠水するなどして通行止めとなった。交通機関も乱れ、鹿児島市電は軌道が冠水して夕方から運行を見合わせた。JRや海、空の便でも運休が相次いだ。

 台風12号は21日午後9時現在、垂水市付近を時速10キロの速さで東へ進んだ。中心気圧は1004ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は20メートル(最大瞬間風速30メートル)。22日には熱帯低気圧に変わる見込み。

 22日に予想される1時間雨量は多い所で、薩摩地方70ミリ、大隅地方と種子島・屋久島地方50ミリ。22日午後6時までの24時間予想雨量は多い所で、薩摩300ミリ、大隅と種子・屋久200ミリ。

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