自由研究ネタに引っ張りだこ…鹿児島高専生の実験模型が「楽しく学べる」と国も太鼓判 今年はトンネル、地震動を解説

2025/08/24 11:00
7月の「わくわくどきどき科学教室」で、模型を使ってトンネル掘削工法を学ぶ子どもたち=長島町開発総合センター
7月の「わくわくどきどき科学教室」で、模型を使ってトンネル掘削工法を学ぶ子どもたち=長島町開発総合センター
 鹿児島工業高等専門学校(鹿児島県霧島市)の学生が作る実験模型が好評だ。「ものづくりの楽しさを伝えたい」と、研究の合間に技術と情熱を注ぎ込んだ力作に、国も注目。8月上旬に東京であった省庁見学会「こども霞が関見学デー」に2年連続で展示され、人気を集めた。

 模型は、同校専攻科の有志が教育ツールとして製作する。毎年7月に長島町が開く「わくわくどきどき科学教室」で、洪水や土石流を解説するジオラマ、ブロック作りの体験ブースなどを出展してきた。

 昨年作った消波ブロックの実証模型で一躍脚光を浴びた。押し入れケースの中を海辺の町に見立て、二つのうち片方だけに消波ブロックを置いて波を起こすと、ブロックで波の勢いが失われるのが分かる。人工知能(AI)も電気も使わない模型の動画がネットで話題となり、省庁見学会をはじめ展示依頼が相次いだ。

 今年の新作は、地震の揺れの解説と、トンネル工事体験の二つ。10人のメンバーが土木や電気などそれぞれの専門を生かし、4カ月かけて製作した。

 トンネル模型は南九州で使われるNATM(ナトム)工法を再現。押し入れ用ケースに砂を詰め、側面から壁や天井を固定して掘り進めると、丈夫なトンネルになる。電光掲示板や、作業員に退避を促す音楽まで、実際の現場とそっくりに仕上げた。

 「砂遊びなら興味を持たれるのでは」との思惑通り、科学教室では大人気。長島町の鷹巣小5年、溝口光琉さんは「初めて知った。すごい」と感心した。

 製作メンバーの永田侑希さん(20)は「工事に興味を持ってほしい」、沼田龍さん(20)は「いつか模型のことを思い出してくれたらうれしい」と手応えを感じていた。

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