研究内容をノートにまとめた横山奈弥さん(右)と加藤太一郎准教授=鹿児島市の鹿児島大郡元キャンパス
光るミミズは身近なところに-。鹿児島大理学部の加藤太一郎准教授(47)=生物化学=らの研究グループは、刺激を受けると緑色の発光性粘液を出す珍しいホタルミミズが、県内に広く生息していることを確認した。生息分布の南限は志布志市とされていたが、種子島でも採集に成功。錦江湾高校2年の横山奈弥さんも研究に参加し、7月に日本DNA多型学会の学術誌に論文が掲載された。
九州では詳細な調査が進んでおらず、2024年1月から探索を始めた。花壇や公園など、身近な場所に広く生息していることが分かり、2年かけて県内15地点から35個体を捕獲。遺伝子解析も行い、日本で生息報告がある5種類のうち、4種類を確認した。
体長約4センチ、直径約1~1.5ミリの小型ミミズで、発光メカニズムは詳しくは分かっていない。冬季に観察されることがほとんどで、今回の調査でも奄美大島では見つからなかった。
加藤准教授は「思ったより身近にたくさん生息しており驚いた。県内離島で調査を進めて、南限を明らかにしたい」と話した。
スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校の錦江湾高に通う横山さんは、母親が加藤准教授の研究室に勤務している縁で参加し、採集や飼育にも挑戦した。「忍耐強く向き合う大切さを学んだ。校内でも研究成果を発表したい」と語った。