鹿屋航空基地に2回目の着陸をする陸上自衛隊の輸送機V22オスプレイ=26日午後0時25分、鹿屋市
陸上自衛隊佐賀駐屯地(佐賀市)の輸送機V22オスプレイ1機が26日、鹿児島県鹿屋市の海自鹿屋航空基地に飛来した。鹿屋基地と先月開設した佐賀駐屯地を行き来する訓練は初めて。搭乗員の操縦法習得と練度の維持・向上を目指し、今後も九州各県で同様の訓練が続く。
26日午前11時40分ごろ、オスプレイ1機が東から進入し、プロペラを上に向けた回転翼機モードで鹿屋基地に着陸した。1度離陸した後、午後0時半ごろに再び飛来。約20分後、プロペラを前方に傾ける固定翼機モードで飛び去った。着陸した際に搭乗員の出入りもあった。
今回は出発地から目的地までの飛行に必要な基礎となる訓練。九州防衛局によると、鹿屋以外にも目達原駐屯地(佐賀県)、相浦駐屯地(長崎県)、築城基地(福岡県)などで訓練が計画され、目達原や相浦で既に始まっている。
陸自は12日、木更津駐屯地(千葉県)から佐賀駐屯地へオスプレイ全17機の移駐を完了した。2月に示した運用計画によると、佐賀空港には年間最大約4640回離着陸する。
防衛省は、離島防衛の要と位置付ける相浦駐屯地の水陸機動団と佐賀駐屯地の一体的な運用を図る。離着陸に滑走路が必要ない回転翼機の特徴と固定翼機の速度を併せ持つオスプレイを使い、人員や物資を南西諸島へ迅速に展開する狙い。
2023年11月には屋久島沖で米オスプレイが墜落する事故が起き、搭乗員8人が亡くなった。県は今回の訓練について、住民の安心・安全対策や事故時の迅速な情報提供を陸自と九州防衛局へ要請した。
9月には陸自と米海兵隊との実動訓練「レゾリュート・ドラゴン」で、日米のオスプレイ計11機が鹿屋基地で訓練する。