志布志市に2026年1月開院を予定する小児科専門医院の外観イメージ
鹿児島県志布志市に現在1カ所もない小児科専門医院が、2026年1月に開設する予定だ。安心して子育てできるまちづくりのため、市が最大1億円を補助する小児科開設支援事業補助金を活用し、建設工事が進む。
開設する場所は、市役所本庁近くの旧ひばりビル駐車場内(同市志布志町志布志2丁目)。市健康長寿課によると、補助対象事業者は、同市の一般社団法人あおぞら(立元千帆代表理事)。鹿児島市で小児科のクリニックを開いている。
24年8月、立元さんが市に申請。外部の学識経験者を含む選定委員会を経て25年5月に補助金交付が決まり、同月下旬に着工した。建築面積約316平方メートル、延べ床面積約287平方メートルの木造平屋建て。診療日時は月~金曜の午前9時~午後6時となる予定。
市内では小児科専門の2医療機関が23年度末までに閉院した。子育て支援などに影響が大きいとして、24年3月に小児科を新設か事業承継する医師・医療法人に対し、開設準備や経営安定化経費として最大1億円を交付する小児科開設支援事業補助金を創設。今回初めて活用された。
同課の冨重隆之課長は「子どもや家族の負担を考えると市内に小児科は必要との認識で、補助金を創設した。医療機関や曽於医師会などの協力もあり、子育て世帯が安心できる環境が整えられた」と話した。
旧ひばりビル敷地内には多世代交流施設も26年秋にオープンする予定。