横断幕を手に福岡高裁に向かう原告ら=27日、福岡市
九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の火山リスクを巡り、新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断は誤りだとして、住民らが国に原発設置許可の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決で、福岡高裁(松田典浩裁判長)は27日、一審福岡地裁判決に続き、住民側の訴えを退けた。
主な争点は、規制委の審査基準「火山ガイド」や適合性審査の合理性だった。住民側は噴火の時期や規模を予測するのは困難であるのに、予測を前提とした火山ガイドは不合理で、噴火が起きる可能性も低頻度ではないと主張していた。
川内原発は2015年8月、福島第1原発事故後に全国で初めて1号機が再稼働した。16年6月に周辺住民らが火山リスクの検討が不十分だとして、国を相手に設置許可の取り消しを求める訴訟を福岡地裁に提訴。19年6月に棄却され、福岡高裁に控訴した。