〈最低賃金=詳報〉上げ幅最大73円…東京との差は10円縮まったが依然200円の開き――鹿児島県審議会1026円答申、11月適用へ

2025/08/29 20:42
最低賃金を1026円とする答申をした鹿児島地方最低賃金審議会の川口俊一会長(左)=29日、鹿児島市の鹿児島合同庁舎
最低賃金を1026円とする答申をした鹿児島地方最低賃金審議会の川口俊一会長(左)=29日、鹿児島市の鹿児島合同庁舎
 鹿児島地方最低賃金審議会(会長・川口俊一社会保険労務士)は29日、2025年度の鹿児島県の最低賃金(最賃)を現行の時給953円から73円引き上げ、1026円にするよう永野和則鹿児島労働局長に答申した。1000円を超えるのは鹿児島では初めて。上げ幅、改定額ともに、時給で示す方式になった02年以降過去最大を更新した。経営者側の準備期間を勘案し、初めて発効日を指定し11月1日からの適用予定とした。

 中央最低賃金審議会は、経済情勢などを踏まえ都道府県をA〜Cの三つに区分。8月4日、最低賃金が低いC区分の鹿児島など13県を64円、都市部を含むAとB区分の34都道府県を63円とする改定目安額を示した。鹿児島の引き上げ額73円は、目安額を9円上回った。

 鹿児島県の現行の最低賃金953円は、青森と長崎と並び3番目に低い。最も高い東京都の1163円とは210円の開きがあった。東京は63円増の1226円で答申しており、差は10円縮まり200円となる。

 答申には、経営者側の要望に沿って、大幅引き上げを踏まえた激変緩和措置や賃上げしやすい環境整備などを求める付帯決議を盛り込んだ。

 新しい最低賃金は、官報公示を経て適用される。例年10月中が多い中、大幅引き上げにより、賃金体系の見直しや「年収の壁」問題への対応が必要になるとして、11月1日を指定した。労働局によると、02年以降で最も遅い適用となる。

 県内で最低賃金引き上げに伴い時給が上がるのは、現在の時給が1026円未満の労働者。労働局のデータでは、7月30日時点で7万5077人が対象となる。

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