夏休み明け しんどい後輩たちへ――不登校を経験した16~23歳の5人が語る「私の事例」とアドバイス

2025/08/31 05:48
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 鹿児島県内の多くの学校で、もうすぐ夏休みが終わる。学校生活への悩みや不安を抱える子にとって、しんどい時期だ。苦しい今、どうすれば-。かつて不登校を経験した社会人や学生にアドバイスを聞いた。

 日置市出身の会社員女性(23)=千葉県=は、中学1年時に友人関係に悩み、2学期になると自室にこもるようになった。気持ちの整理がつかない中、周囲から「どうしたの?」と心配されるのがきつかったという。

 数カ月が過ぎ、ようやく親に心情を打ち明けられた。地元の「学びの杜(もり)学園フリースクール」に約1年通うことで、同じ境遇の子と共感し合い、カウンセリングも受けられた。「話せるタイミングはいつか必ず来るし、勉強も追いつける。心と向き合う時間を大切にしてほしい」と話す。

 京都芸術大通信教育部1年の女性(19)=鹿児島市=も、学校以外の居場所に救われた。中学に入ると、クラスになじめず「みんなによく思われていないのでは」と感じるようになった。夏休みが明けると腹痛が続くなど、学校に体が拒否反応を示した。

 2年生になると、独自の教育理念を掲げる「どんぐり自然学校」(同市)へ通う。劇の創作などを通じ「人間って優しい」と思えるようになった。体調も改善し「安心できる居場所が大きかった」と振り返る。

 通信制高校に通う同市の男子生徒(16)は中1の時、担任と相性が悪く、1学期末から不登校に。夏休みはゲームに熱中し、昼夜逆転。新学期になっても学校に足が向かない。親から強い口調で、登校するよう説得されるのも苦痛だった。

 救ってくれたのは友人の存在だった。日中に会うことで生活リズムを少しずつ取り戻し、保健室登校ができるようなった。「気持ちの折り合いをつける時間が必要だった。親にちゃんと向き合い、『まだ行けない』と伝えられたらよかった」と悔いが残る。

 「受験のストレスで無気力になった」と振り返るのは、志學館大3年の男性(20)。高3の時、思うように成績が上がらず、2学期は引きこもりがちになった。周囲と比べて劣等感や悔しさを感じ、食欲すら湧かなくなった。「深く考えすぎていた。焦らず、できることを少しずつやってほしい」

 自律神経の不調で頭痛や目まいが起こる起立性調節障害がきっかけになることもある。同市出身の中央大2年、男性(20)は、高2の夏休みに症状が出始めた。学業や部活などで忙しすぎたと顧みる。

 心がけたのは遅刻をしても休まないこと。障害への無理解から怠けと捉えられるのは嫌だった。「学校がつらければこだわる必要はない。通信制など、さまざまな選択肢があることを知ってほしい」と助言した。

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