ほどなく、お別れです――昭和初期に建てられ、戦禍逃れた鹿児島県教育会館 9月の解体前に最後の見学会 跡地はマンションに…

2025/09/01 07:00
94年の歴史を刻んできた鹿児島県教育会館=8月28日、鹿児島市山下町
94年の歴史を刻んできた鹿児島県教育会館=8月28日、鹿児島市山下町
 解体が決まっている鹿児島市山下町の鹿児島県教育会館で8月27、28日、最後の見学会が開かれた。1931(昭和6)年に完成し、45年の鹿児島大空襲にも耐えた「歴史の証人」。外壁や内装は昭和の空気を伝え、講堂屋根裏には戦火の記憶もとどめていた。

 会館は鉄筋コンクリート造り地下1階、地上3階建てで、県教職員組合などの事務所として使われた。戦前の建築様式を伝える貴重な建物である一方で老朽化が進み、所有する県教育会館維持財団は会館と敷地を東京の業者に売却。マンション建設のため9月にも解体される。

 見学会は日本建築家協会九州支部鹿児島地域会など3団体が財団の許可を得て開き、2日間で約450人が訪れた。

 かつての教員仲間4人と参加した同市桜ケ丘8丁目の江口博人さん(68)は「父も教員で、親子二代でお世話になった建物。講堂で吹奏楽の練習をした思い出もある。何とか残してほしかった」と語った。

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