野生イノシシが「豚熱」感染、鹿児島も初の10km圏域に――宮崎13、14例目 経口ワクチン未散布エリアで発生

2025/09/03 07:07
〈資料写真〉6月、宮崎県内2例目となる豚熱感染が確認された死んだ野生イノシシ=宮崎県高原町(同県提供)
〈資料写真〉6月、宮崎県内2例目となる豚熱感染が確認された死んだ野生イノシシ=宮崎県高原町(同県提供)
 宮崎県は2日、都城市御池町で、死んで見つかった野生イノシシの幼獣2頭が豚熱(CSF)に感染していたと発表した。発見場所から半径10キロ圏の「感染確認区域」に鹿児島県の霧島、曽於両市が含まれ、複数の養豚農家がある。鹿児島県は3日、対策本部会議を開き対応を協議する。

 宮崎県内の野生イノシシ感染は、都城市高崎町で初確認された4月以降、13、14例目。過去12例は同市高崎町と隣接する高原町だった。1例目確認に伴い経口ワクチンを散布した10キロ圏を超えての確認は初めて。

 宮崎県家畜防疫対策課によると、幼獣の死骸は13例目の雄が1例目から西に14.3キロ、14例目の雌が同14.6キロ離れた道路脇で、ともに8月30日見つかった。宮崎家畜保健衛生所が9月2日実施したPCR検査で陽性を確認した。いずれも経口ワクチン由来ではない野外株だった。

 宮崎県は2日、豚熱対策本部会議を開き、10キロ圏内に経口ワクチンを緊急散布する方針を確認した。散布日は国と協議して決める。圏内の養豚農家39戸(約9万4000頭)には口頭で注意を呼びかけた。

 鹿児島県によると、2024年2月1日現在、県内387戸が計120万頭を飼養する。県内養豚のワクチン接種率は100%。

 豚熱は人にはうつらず、仮に感染した豚の肉や内臓を食べても影響はない。一方で、豚やイノシシへの感染力は強く致死率も高い。

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