母国の現状を語ったウクライナのジャーナリストのセルゲイ・トミレンコさん(左から2人目)ら=2日、鹿児島市
ウクライナのジャーナリスト3人が2日、鹿児島市で講演した。ウクライナ・ジャーナリスト連盟のセルゲイ・トミレンコ会長(49)はロシアによる侵攻の結果、「多くの人々が最前線に暮らし続ける。たとえ命が危険にさらされても住み慣れた家に住み続けたいからだ」と話した。
ザポリージャ州の新聞社「トルドヴァ・スラヴァ」のスヴィトラーナ・カルペンコ編集長(59)は戦闘地域から5キロの地区で月2回新聞を発行していることを報告した。電気が2年半止まっている地区もあり紙の新聞が貴重な情報源になっているという。「新聞の存在が、明日が来る象徴であり、希望になっている」
オンラインメディアを運営するオルガ・ヴァカーロさん(54)は地元のザポリージャ原発がロシア軍に占拠された経緯や現状を説明。ロシアの侵攻2カ月前に原発所長が「戦争になっても原発は最も安全な場所として残る」と確信していた逸話を紹介。原発職員は1万1000人から3000人にまで減り「メンテナンスもできず非常に危険。チョルノービリ(チェルノブイリ)の悲劇を繰り返してはいけない」と指摘した。
講演はグリーンコープかごしま生協が企画した。