県有地へのホテル開発、サンロイヤルを最優秀提案者に選定――応募は1社のみ、評価委の採点は100点満点で60点「市街地と回遊性向上」 鹿児島市・住吉町15番街区

2025/09/04 06:53
県有地への新築移転を希望する鹿児島サンロイヤルホテル=鹿児島市与次郎1丁目
県有地への新築移転を希望する鹿児島サンロイヤルホテル=鹿児島市与次郎1丁目
 鹿児島県は3日、鹿児島港本港区(鹿児島市)住吉町15番街区に宴会場や会議室を備えたホテルを整備する民間事業者を選ぶ公募で、評価委員会が鹿児島サンロイヤルホテルを運営する鹿児島国際観光(同市)を最優秀提案者に決めたと発表した。「中心市街地との回遊性向上やにぎわいを創出し、県内産業・経済に波及効果をもたらす」と評価した。県議会での議論を経て、県は10月中をめどに事業予定者を決定し同社と基本協定を締結する見通し。

 公募に応じたのは1社だった。評価委は宮廻甫允(みやさこ・としみつ)委員長=鹿児島大学名誉教授=を含め6人で、そのうち3人が県幹部。事業コンセプトや施設計画、配置計画など100点満点で採点し、各委員が付けた点数の平均である評価結果は60.34点だった。

 提案は国際会議や学会を開けるMICE(マイス)機能や、食事を提供できる宴会場などバンケット機能があるホテルとして、土地の利活用を目指す県の事業趣旨を踏まえた内容。評価委は、駐車場2階部分に計画する海の屋台村が「施設の魅力を高める」とし、県産材の活用、レストランでの地産地消の取り組みも盛り込まれ、県経済の発展につながると期待した。

 評価過程では施設計画の一層の検討や、収支計画を十分精査する必要性に関し意見があったとし、「事業者は県とも十分協議し事業化の検討を進めていくべきだ」と結論づけた。

 県PR観光課の東俊浩・PR観光企画監は「公募要領に定めた評価基準を一定程度満たしたと(委員に)評価されたと受け止めている」と話した。

 同社が提案したホテルは9階建て、客室計281室。1〜3階に宴会場や会議室があり、2階に最大2000人を収容できる大宴会場を設ける。

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