鹿児島地方気象台は3日、日本の南にある熱帯低気圧が台風に発達し、4日にかけて県本土や種子島・屋久島地方に接近する見込みと発表した。県本土上陸の可能性もある。警報級の大雨となる恐れがあり、河川の増水や浸水、土砂災害に注意を呼びかけている。
熱帯低気圧は3日午後9時現在、奄美大島の東南東約250キロにあり、時速30キロの速さで北に進んだ。中心気圧は1004ヘクトパスカル。中心付近の最大風速は15メートル。中心の東から南にかけて発達した雲がある。
気象台によると、九州南部から沖縄付近の海面水温は30度前後と高く、熱帯低気圧は発達しながら北上するとみられる。4日未明までに台風に発達する見込みで、県本土を縦断する進路も予想される。
津波古悟主任予報官は「現時点で(県本土を横断した8月下旬の)台風12号のように長時間猛烈な雨が降るとは考えていないが、雨や風の影響が大きく変わる可能性がある。台風に発達しなくても大雨への警戒が必要」と話した。
4日に予想される1時間雨量は多い所で、大隅と種子・屋久50ミリ、薩摩と奄美30ミリ。4日午後6時までの24時間予想雨量は大隅と種子・屋久150ミリ、薩摩と十島村100ミリ、奄美北部と南部80ミリ。
予想される最大風速は、種子・屋久の陸上と海上、大隅の海上で18メートル(最大瞬間風速25メートル)など。大隅と種子・屋久は4メートル、薩摩は3メートルの、いずれもうねりを伴う高波が予想される。