「先生好きです…」生徒から告白されたら? 教員の性犯罪防止へ、鹿児島大と県教委が「不適切な関係のリスク」考える教材を開発

2025/09/04 17:00
 盗撮やわいせつ行為など、教員による児童生徒への性犯罪・性暴力が全国で相次ぐ中、鹿児島大と鹿児島県教育委員会などは共同で「児童生徒との不適切な関係のリスク」について考える教員向け研修教材を開発し、3日公開した。私的な連絡先を交換してしまう場面を中心に例を挙げ、どんな条件や環境がそろえばリスクが高まるか、自分ごととして考える内容となっている。

 教職員は、児童生徒と交流サイト(SNS)を使った私的なやりとりを行うことは禁止されている。教材では、SNS等のIDを教えてしまう場面として「児童生徒から好かれたいと思って」「家庭の相談を打ち明けられて」など20項目をチェックする。児童生徒から好意を伝えられたらどうするか、などについても想像する内容となっている。

 県教委は公開に先立つ8月初旬、全ての公立学校に、教材を活用して早期に研修を行うよう通知した。教職員課の中島靖治課長は「グループワークを通じて『これくらいならOK』という自分と他者の認識のズレに気付いてほしい」と強調。懲戒処分を受けた教職員の同僚からは「言動が気になっていたが指摘できなかった」という声を聞くと言い、「日頃から気軽に話せる関係を築くツールにもしてほしい」と話した。

 鹿大大学院教育学研究科の高瀬和也助教(29)=教育工学=と県教委などが、教職員の不祥事根絶に向けて開発する教材の第4弾。鹿大と県教委の各ホームページから無料でダウンロードできる。

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