「日米の一体化で標的になる」「国防上やむなし」――オスプレイ飛来、米兵ら宿泊で“基地の街”に賛否が交錯 鹿屋市

2025/09/09 06:24
海上自衛隊鹿屋航空基地の駐機場で羽を休める米海兵隊の輸送機MV22オスプレイ=8日午後5時21分、鹿屋市野里町
海上自衛隊鹿屋航空基地の駐機場で羽を休める米海兵隊の輸送機MV22オスプレイ=8日午後5時21分、鹿屋市野里町
 陸上自衛隊との実動訓練に参加する米海兵隊の輸送機MV22オスプレイ5機が鹿児島県鹿屋市の海自鹿屋航空基地に飛来した8日、市民の間では事故発生などを懸念する声と、「国防上やむなし」などと容認する意見が交錯した。

 「日米一体の拠点化が進めば鹿屋が標的になる恐れがある」。2015年の米軍空中給油機訓練移転などに反対してきた市民団体「鹿屋に米軍はいらない大隅住民の会」の眞島幸則会長(77)は危機感を隠さない。22〜23年、米軍が鹿屋基地で無人偵察機MQ9を一時展開したことを踏まえ「米軍がいて当たり前の状況を作ろうとしているのだろう」と指摘する。

 関係機関などでつくる市基地関係連絡協議会の一員でもある田井村尚・新川町内会長(72)は事故発生の可能性を懸念する一方、「国防を考えれば、どこかが担う必要があり、しょうがないという気持ちもある」と語った。

 訓練に関わる米軍関係者は市内のホテルに宿泊予定で外出も想定される。市商店街連合会の前田数郎会長(67)はMQ9一時展開時に一定の経済効果があったと振り返り「同様のことが期待できるなら歓迎したい」。

 中西茂市長は取材に「オスプレイについて、多くの方が(安全面で)懸念されているのは事実。事故のないよう万全を期してほしい」と答えた。訓練自体には「安全保障の現状からすれば当然必要」との認識を示した。

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