全日本中学生水の作文コンクール最優秀賞に輝いた大峯果林さん=都城市妻ケ丘町の都城泉ケ丘高校付属中学校
全日本中学生水の作文コンクールで、宮崎県都城市の都城泉ケ丘高校付属中学校1年、大峯果林さんが最優秀賞の内閣総理大臣賞に輝いた。鹿児島県曽於市水道課に長年勤務する父・直樹さん(45)と家族との関係を切り口に、目立たないが社会を支える、無名の人々への感謝をつづった。
コンクールは、水への理解を深めてもらおうと、国土交通省などが主催。47回目となる今年は全国から7482点の応募があった。
「人の暮らしと命を支える」と題した作文で、大峯さんは、台風が接近するたび、断水に備え、昼夜問わず作業着姿で職場に出ていく父を、家族が不安な思いで見送ってきたと明かす。
小学4年の時、台風の災害対応から帰宅して「病院の断水を復旧できてよかった」と話す父の言葉に、水が生活だけでなく、命を守るために欠かせない存在だと気付いた。水を維持する人々の知識や経験、使命感も「暮らしと命を守る大切な資源だ」と訴えた。
指導した国語担当の前田直子教諭(65)は「水道を維持する人たちへの視点が新しく、評価されたのでは」と話す。将来就きたい仕事は弁護士という大峯さん。「困っている人やつらい思いをしている人の支えになりたい」と語った。