次々と水揚げされるバショウカジキ=9日午前4時ごろ、日置市東市来の江口漁港
「秋太郎」と呼ばれ、親しまれているバショウカジキの漁がシーズンに入った。鹿児島県日置市東市来の江口漁港では9日未明、銀色に輝く約2メートル、重さ20キロ前後の5匹が漁船から水揚げされた。例年に比べ、出だしの漁獲量は少なくなっている。
秋の味覚として人気が高いバショウカジキは、やりのような鋭い上あごとバショウの葉に似た大きな背びれが特徴だ。薩摩川内市甑島沖や南さつま市野間岬沖の東シナ海が漁場。流し網漁で1隻が3日未明に1匹を取ったほか、8日までに13匹を水揚げした。
9日未明は漁船「太賀丸」が5匹を取った。脂質は比較的少なく、骨を丈夫にするビタミンDが豊富。乗組員の平松昴さん(36)は「昨年より網にかかりが悪く、水揚げが少ないのが気がかり。これから脂がのってくるので、味わってもらえれば」と話した。
9月中旬〜10月上旬に旬を迎え、10月末まで漁が続く。漁港近くの物産館「江口蓬莱館」で直売され、鹿児島市の魚類市場に出荷している。