ヘルメットをかぶって下校する諏訪之瀬島学園の児童ら(同学園提供)
鹿児島県十島村諏訪之瀬島で17日夜に観測した震度5弱の地震は、島の直下が震源地となり大きく揺れた。群発地震に加え、火山性とみられる地震はこれまでもあったが、島民は「今までとは違う横揺れ」を感じたという。翌18日は島内の見回りに奔走し、学校は余震に備え、児童生徒の安全確保に努めた。
消防団員の杉田充典さん(62)によると「3〜4日に1回くらいは下から突き上げるような縦揺れを感じていた」。震度5弱が起きた17日午後9時55分ごろは自宅におり、「今回は何か違う」と身構えたという。
大きな横揺れが襲い、台所の空き瓶が倒れるなどしたため慌てて食器棚の扉を押さえた。その後も断続的に、10秒ほど揺れる地震が深夜まであり、「眠れるだろうか」と不安に駆られた。
18日は朝から消防団員らと島内を見回り、家屋の倒壊やがけ崩れ、電気、水道などのインフラ設備に異常がないか見て回った。
児童生徒16人が通う諏訪之瀬島学園の田畑浩和校長(61)は、震度5弱の地震直後、自宅から学園に駆け付けた。幸い停電もなく、安全点検は速やかに終えられた。「児童らは夜の地震で怖かったと思う。学校では友達と会えてほっとしていたようだ」と話す。
児童生徒の各机にヘルメットを常備しており、18日の下校時から登下校中も着用するよう決めた。
18日朝から鹿児島市の村役場で対応に当たった久保源一郎村長は「地震が続き、島民の心労が心配だ。細かく現地の状況や要望を吸い上げたい」と述べた。