〈資料写真〉尾辻朋実氏の紹介もあった連合鹿児島のメーデー県中央集会=4月29日、鹿児島市浜町のかんまちあ
自民党総裁選が告示された22日、鹿児島県内の野党関係者からは、「茶番劇を見せられている感じ」「早く国会で議論を」と批判や不満の声が相次いだ。
立憲民主党県連の柳誠子代表は「自民は少数与党である自らの立場を理解しているのだろうか。政治の体質は変わらず国民は茶番劇を見せられているよう。メディアも総裁選に踊らされている」と指摘する。物価高対策やガソリン税の暫定税率廃止など急を要する政策が何も前に進んでいないとし、「このままでは年を越せない人も出てくる。一刻も早く臨時国会を開き議論し、物価高に歯止めをかけなければ」と話した。
「参院選を通じ民意は示された。いま総裁選をやっている場合なのか」と断じるのは国民民主党県連の三反園輝男代表代行。経済対策や日米関税交渉など国内外の課題は待ったなしで、「党内事情で多くの時間を浪費し、政策の議論ができなかったことは反省してほしい」と強調。「早く一定の整理をつけ、より良い政策を与野党で作り上げる責任がある」と訴えた。
参政党県連の櫻木隆志副会長は「党としては消費税増税や社会の分断を招く拙速な移民受け入れ、脱炭素政策を見直す候補を支持する」と説明し、「政策の転換で国民の期待に応えてほしい」と語る。衆院解散・総選挙については「現有勢力のまま安易な政権与党の組み直しをするのではなく、民意を問うため新総裁の下、早期に実施すべきだ」との考えを示した。
立候補した5人は、前回2024年も出馬した。共産党県委員会の山口広延委員長は「代わり映えしない顔ぶれ。石破茂氏を辞めさせただけで党の中身は何も変わっておらず、国民に対して無責任だ」と一蹴した。物価高騰で明日の暮らしに困る国民もいるとし、「自民の党内抗争によって政治空白が生まれ、国民が置いてきぼりになっている」と懸念を強めた。
社民党県連合の川路孝代表は「政治とカネや防衛予算の削減などに候補者は触れていない。誰が総裁に選ばれても自民は変わらないのでは」とみる。国民の不安に具体策を講じることなく内部の代表選びに時間を費やす現状に「国民を顧みない自民に期待はできない。新政権を立憲野党でつくり、政治を変える以外に展望はない」と政権交代を訴えた。