これが奄美のアラセツだ――早朝から「ヨラ、メラ」連呼、片屋根倒す 海岸では唄と踊りで稲魂を招く 龍郷

2025/09/25 06:24
「ヨラ、メラ」と声をかけ、ショチョガマを揺らす男衆=24日午前6時36分、龍郷町秋名
「ヨラ、メラ」と声をかけ、ショチョガマを揺らす男衆=24日午前6時36分、龍郷町秋名
 鹿児島県奄美大島で数少ない水田地帯が広がる龍郷町秋名で24日、収穫に感謝し五穀豊穣(ほうじょう)を願う「ショチョガマ」と「平瀬マンカイ」があった。旧暦8月最初の丙(ひのえ)のアラセツ(新節)行事で、国の重要無形民俗文化財に指定されている。島内外の見物客でにぎわった。

 ショチョガマは水田地帯を望む山腹で、夜明け直前の午前6時ごろに始まった。稲わらをふいた片屋根(ショチョガマ)に男衆約100人が上り、豊年歌をささげた。チヂン(太鼓)と「ヨラ、メラ」のかけ声に合わせて力強く踏み締め、豊作になるとされる南側にショチョガマを倒した。

 秋名アラセツ行事保存会の隈元和範会長(66)は「迫力のあるところが魅力。集落全体で伝統を守っていきたい」と話した。

 平瀬マンカイは午後4時ごろ、集落近くの海岸であった。白装束を身にまとったノロ(女性神職)役の女性5人と、男神・女神役の男女7人がそれぞれ「神平瀬」「女童(めらべ)平瀬」と呼ばれる二つの岩で向き合い、掛け合い唄と踊りで稲魂を招いた。最後は輪になって八月踊りを踊った。

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