フェリーターミナルの新設に再編…原木輸出量ずっと日本一の志布志港がいろいろ変わる ただし「相当な時間」鹿児島県が港湾計画32年ぶり改訂

2025/09/26 06:44
巨大な配合飼料工場(中央右)などが立ち並ぶ志布志港=4月16日、志布志市志布志
巨大な配合飼料工場(中央右)などが立ち並ぶ志布志港=4月16日、志布志市志布志
 鹿児島県は25日、志布志港(志布志市)の開発利用の指針となる「港湾計画」を32年ぶりに全面改訂する方針を明らかにした。船の大型化への対応や荷さばき場所の不足を解消するため新若浜地区に、トラックや荷台をそのまま積み込める「RORO船」用のターミナルを新たに整備。若浜地区のフェリー機能を外港地区に移転し、耐震強化岸壁や緑地の整備を盛り込む。国の交通政策審議会港湾分科会などを経て12月にも県が正式決定する見込み。

 原木取扱量の増加など環境変化や課題に対応するため今年3月策定した同港の長期構想を踏まえ、10〜15年先の取扱貨物量に対応できる港湾機能や施設規模、配置を盛り込んだ。具体的な整備時期やスケジュールは未定。港湾空港課は「予算を伴い、詳細な設計や利用者との調整も必要。整備には相当の時間がかかる」としている。

 現在は外港地区に位置するRORO機能と原木ヤードを新若浜地区へ集約。耐震強化岸壁やコンテナターミナルの再編などを計画する。フェリー「さんふらわあ」が使用する若浜地区では、新たな企業用地を確保するため緑地を工業用地とする土地利用計画の変更を予定。外港地区にはフェリーターミナルを新設し、にぎわい創出に向け新たに緑地を造成する。

 地元の要望がある大型クルーズ船の誘致に向け、受け入れ可能な岸壁の整備が想定されるエリアも将来構想として位置付ける。

 志布志港は1969年に重要港湾に指定。2011年には国際バルク戦略港湾(穀物)に選定された。1993年に改訂した現計画は、これまで軽易な変更や一部変更を計4回実施している。同港の2023年コンテナ貨物取扱量は10万1000TEU(1TEUは20フィートコンテナ1個分)。24年の原木輸出量は約41万立方メートルで15年連続日本一となっている。

 県議会総合政策建設委員会で説明した。

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