物価高の今だから…9月で1割加算廃止 “駆け込み”続々――交通ICカード「ラピカ」積み増し、一度に数万円の客も 鹿児島市

2025/09/27 17:03
1割の加算廃止を前に、交通ICカードを積み増す利用者=25日、鹿児島市役所本庁
1割の加算廃止を前に、交通ICカードを積み増す利用者=25日、鹿児島市役所本庁
 年度の折り返しとなる10月、鹿児島市では96公共施設で料金が一斉に値上がりするなど身近な行政サービスで変化が相次ぐ。県内交通ICカード「ラピカ」も積み増し時の1割加算がなくなる。暮らしの負担感が増しそうな中、ICへの高額積み増しや平川動物公園の年間パスポート購入など“駆け込み需要”が増えている。物価高も続いており、少しでも家計負担を減らしたい市民の防衛策とみられる。

 これまで積み増し金額の1割が加算されていた交通ICカード「ラピカ」「いわさきICカード」で加算が廃止される。9月30日までの加算分は10月以降も有効。

 ICカードは市交通局(市バス・市電)と船舶局(桜島フェリー)、鹿児島交通、南国交通、JR九州バスで使える。加算がなくなった後もカード自体は積み増しを含め利用できる。

 市交通局によると、ICカード「ラピカ」の積み増し額は8月から急増している。8月は前年比1.7倍の計532万円。9月は12日時点で355万円に上り、前年9月1カ月分(347万円)を超えた。

 「ラピカ・いわさきICカード」の積み増しは交通局、船舶局や民間事業者の窓口のほか、市役所や山形屋、アミュプラザ鹿児島などにある積み増し機でできる。1000円単位で上限は6万円。数万円分を一度に積み増す人も多いという。

 平川動物公園でも、発行から1年間使える年間パスを求める人が相次ぐ。現在のパスは住所を問わず一般1000円(小中学生200円)だが、10月以降は市民1500円(同300円)、市外料金2000円(同400円)に。市外の高校生以上が9月中にパスを買えば、値上げ後1回分の市外料金(1000円)で1年間通えることになる。パスは園のみで発行する。

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