国内トップ施設でも売れない…“命名権ビジネス”自治体苦戦――当初は年5000万円、9割引きでもダメ 鹿児島県「魅力高い施設。ぜひ検討を」

2025/09/28 12:03
完成の記念式典が行われたジャパンアスリートトレーニングセンター大隅=2019年3月、大崎町菱田
完成の記念式典が行われたジャパンアスリートトレーニングセンター大隅=2019年3月、大崎町菱田
 鹿児島県は県有2施設の命名権(ネーミングライツ)購入を希望する企業募集を29日から始める。ジャパンアスリートトレーニングセンター大隅(大崎町)と、県立サッカー・ラグビー場(鹿児島市)で、いずれも2022年から施設を特定し“イチ押し”で募っているものの、いまだ名付け親が決まらない。県は当初より命名権料の希望額を大きく引き下げ、「魅力の高い施設。ぜひ検討を」と売り込んでいる。

 今回、年額400万円(3年契約)で募るトレセンは、日本陸連の認定強化拠点。国内最高水準の施設を備え県外での知名度も高く22年に年額5000万円で募集したが、不調に終わった。他施設の状況を踏まえ、24年に年500万円と大幅に割り引いて再度募集。問い合わせはあったものの提案はなかった。

 サッカー・ラグビー場も当初は年額1000万円としていたが、今回は年600万円(3年契約)を希望している。

 厳しい財政状況の中、県は歳入確保策として命名権の活用に力を入れる。今回の2施設以外にも、27施設を命名権の対象とし、随時提案を募る。

 本年度までに企業に販売できたのは鹿児島市の宝山ホール(文化センター、年2000万円)や白波スタジアム(鴨池陸上競技場、年880万円)など計6施設。24年度の命名権料による歳入額は5施設分で約4690万円。

 県内外の法人を対象とし、募集は11月10日まで。広告代理店を介した企画提案型の公募とするほか、県も企業側に直接PRする。財政課の陸川諭課長は「関心のある企業に積極的に検討してもらいたい」と話した。

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