“日本一美しい”カエルを守れ――外来種の定着阻止は「瀬戸際の状況」…小さな個体を発見できる「コールバック調査」とは 大和村

2025/09/28 17:03
屋外でカエルの鳴き声などを確認する参加者=大和村
屋外でカエルの鳴き声などを確認する参加者=大和村
 特定外来生物シロアゴガエルの鹿児島県奄美大島への侵入防止に向けたワークショップが、大和村にある環境省の奄美野生生物保護センターであった。家族連れら45人が参加。在来種との見た目の違いなどを学習後、録音した鳴き声を流して鳴き返しの有無で存在を確認する「コールバック調査」を体験した。

 シロアゴガエルは東南アジア原産。2013年に見つかった与論島では現在、島全体に拡大した。23年に確認された徳之島は駆除が進むが、同センターによると、定着を阻止できるか「瀬戸際の状況」。自分と同じ鳴き声を聞くと鳴き返すカエルの習性を利用した「コールバック調査」は、小さなカエルを発見するための有効な手段という。

 19日に開いた研修会は、住民らによる水際対策の推進などを目的に、センターが企画した。参加者は奄美海洋生物研究会の木元侑菜(ゆうな)研究員(34)から、日本一美しいと言われるアマミイシカワガエルといった在来種9種などの説明を受けた後、屋外で調査。シロアゴガエルの「ギー、グイッ」という鳴き声に反応がないのを確認して回った。

 大和小学校4年豊田英峻(ひでたか)さんは「見つけたらすぐに環境省に連絡するようにしたい」。木元さんは「シロアゴガエルが侵入すると生態系のバランスが崩れ、生物多様性に影響を与える恐れがある。住民の早期発見が島を守ることにつながる」と呼びかけた。

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