〈自民新総裁に高市氏〉鹿児島県民「物価高対策早く」「都市と地方の格差解消を」 小泉氏ゆかりの地の住民は何を思う…

2025/10/05 06:00
家電量販店のテレビに映し出される自民党総裁選のニュース=4日、鹿児島市のエディオン鹿児島山形屋店
家電量販店のテレビに映し出される自民党総裁選のニュース=4日、鹿児島市のエディオン鹿児島山形屋店
 高市早苗前経済安全保障担当相が4日、自民党新総裁に就任した。政治姿勢は保守色が濃く、男女格差解消の推進には懸念が残る。北朝鮮による拉致被害者家族は早期解決に望みを託した。厳しい生活が続く鹿児島県民からは「物価高対策に期待したい」「都市部と地方の格差を解消して」と暮らしの改善を求める声が相次いだ。

 0歳から小学生の子ども4人を育てる薩摩川内市向田本町の自営業の女性(37)は、高市氏について「しっかり自分を持ち、信念のある人との印象。子育て中や働く女性といったさまざまな意見を聞いてほしい」と望む。

 食費の節約に努めるが、おむつ代やミルク代は値上がりする一方。「まだまだ子どもの成長にお金がかかる。幅広い目線で、みんなが安心して暮らせる政策を期待する」と話した。

 鹿屋市札元1丁目の小学校の男性教員(48)は女性初の総裁誕生を「性別に関係なく競えるようになったのが印象的」と受け止める。一方で「自民党自体はそう変化しないのではないか」と漏らし、「派閥裏金事件をしっかり解明して」と注文した。

 物価高対策をはじめ、課題が山積する中、総裁選の政策論争は盛り上がりに欠けた。鹿児島大学農学部2年の女子学生(19)は、選択的夫婦別姓を巡る論戦が低調だったことに「誰もが生きやすい社会が整うよう、議論を長引かせず進めてほしい」と願う。

 県外の友人と話す中で「アルバイトの時給や交通の便など、地方と都市部の格差が大きい」と気付いた。「高市総裁にはもっと地方に目を向けて格差解消を進めてほしい」と求めた。

 「他の人だと自民党がいよいよ立て直せなくなると思っていた。高市さんに決まってうれしい」。志布志市で高齢者サロンを運営する同市志布志町内之倉の男性(78)は「発言力とぶれない姿勢が魅力。今月来日予定の米トランプ大統領との対面が楽しみ」と歓迎し、外交分野での活躍に期待を寄せた。

 決選投票を争った小泉進次郎農相の祖父・故純也氏の出身地、南さつま市加世田万世地区の男性(93)は「あんなに差が付くとは思わなかったが、いつかは総裁になるだろう」。別の男性(78)は初の女性総裁となった高市氏に対し、「女性か男性かではない。今までとは違う視点の政治を目指してほしい」と語った。

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