鹿児島空港でタッチ・アンド・ゴーをするT4練習機=6日午前11時半ごろ、霧島市
航空自衛隊新田原基地(宮崎県新富町)のT4練習機1機は6日、鹿児島県霧島市の鹿児島空港で離着陸訓練をした。空自によると、T4が鹿児島空港で訓練するのは初めて。市民団体は空港近くで反対集会を開いた。
6日午前11時半ごろ、T4が鹿児島空港上空に飛来。南東側から進入して着陸態勢に入り、滑走路に車輪が触れてすぐに離陸するタッチ・アンド・ゴーを1回実施した。鹿児島空港事務所によると、民間機の運航に影響はなかった。
新田原基地によると、基地の滑走路が災害で使えなくなった際に近くの民間空港に、より安全に離着陸するための慣熟訓練で、周辺環境や離着陸の経路を確認する目的。同基地の第5航空団第305飛行隊の2人が搭乗した。
20~31日の自衛隊統合演習では航空自衛隊のF15戦闘機が鹿児島空港に飛来し、燃料を補給する訓練をする。海上自衛隊のP1哨戒機が鹿屋市の鹿屋航空基地から鹿児島空港へ弾薬を輸送する弾薬輸送・搭載訓練も計画されている。
鹿児島空港は自衛隊や海上保安庁が平時から迅速かつ円滑に利用できる「特定利用空港・港湾」の一つ。
空港近くでは市民団体が反対集会を開き約50人が参加。「鹿児島に米軍はいらない県民の会」の下馬場学副会長(70)は「一度訓練を許すと、歯止めがきかなくなる」と懸念した。