秋以降もコメ高騰は続くのか…去年2倍に跳ね上がった農家への仮払い金、さらに3割増し――23年産米の3倍に急騰したJAも 鹿児島県内、概算金提示始まる

2025/10/11 06:00
ヒノヒカリの稲刈りをするコメ農家=3日、伊佐市大口山野(勝目博之撮影)
ヒノヒカリの稲刈りをするコメ農家=3日、伊佐市大口山野(勝目博之撮影)
 鹿児島県内で収穫期を迎えた2025年産普通期米について、複数のJAが集荷時に農家へ代金を仮払いする「概算金」の提示を始めたことが10日、分かった。1等米はおおむね60キロ当たり3万2000~3万4000円で、24年産(約2万6000円)と比べ3割ほど高い。関係者によると、過去最高水準とみられる。

 コメの集荷は、店頭からコメが消える「令和の米騒動」を受け、民間業者との競争が激化し、24年産普通期米の概算金は23年比で約2倍と急騰していた。概算金は新米相場価格の目安の一つとされていることから、流通が本格化する秋以降もコメの高値が続くことが予想される。

 JA南さつまは10日、ホームページで概算金を公開した。品種別で「ヒノヒカリ」と「あきほなみ」が3万3600円。今年から一般栽培が始まった高温に強い県育成品種「あきの舞」は3万4000円となった。

 あるJAは、JA県経済連の方針に従い、前年比約8000円高の3万2700円に設定した。別のJAは全品種統一で3万2400円(同7000円高)。担当者は「間違いなく、これまでで一番高い」としている。

 まだ提示していないJAも、管内の生産者らによると、3万3600円程度で調整している。県内最大のコメ産地・伊佐市を抱えるJA北さつまも数日中に提示を始めるとみられる。

 概算金は、全国各地で増額提示が相次いでいる。県内の25年産早期米も、1等米でおおむね60キロ当たり2万7000円と、24年産(約1万9000円)と比べ8000円ほど高くなった。

 概算金をホームページで公開したJA南さつま(南九州市)。21~23年産までは1等米60キロ当たり1万2000円前後で推移していた概算金は、24年産で2万5800円、25年産は3万3600円と3倍近くに急騰した。今後、概算金を提示するJAにとって一定の目安となる。

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