目立つのは好きじゃない。でもやらないと――8月の大雨で不通になった姶良市・網掛橋 周辺の店は客が激減 危機を乗り越えようと、商店主らは沿道に向かった…

2025/10/12 17:00
川村吉一さん
川村吉一さん
■かお・網掛橋復興臨時通り会会長の川村 吉一(かわむら・よしかず)さん

 8月の大雨で国道10号沿いの鹿児島県姶良市加治木の網掛橋が被災し通行止めになった。人や車の往来が激減し「何かしないとつぶれてしまう」と周辺店に呼びかけ通り会をつくった。「もともと目立つのは好きじゃないんだけど、もう62歳だし、自分がやらなきゃと」

 走りだすと、トントン拍子に進んだ。通りが元気に営業中であることをアピールしようと、映画「幸福の黄色いハンカチ」の名シーンにちなんで、沿道に黄色いのぼり旗を並べた。

 地元高校生が橋の上に立つポスターも作った。長男でイラストレーターの栞太(かんた)さん(27)に「古里が大変だから協力して。バズるの描いて」と頼んだ。完成後、高校側から電話が入り、「クレームか」と思ったら、「通り会の力になりたい」との生徒会からの申し出だった。「涙が出るほどうれしかった」

 通り会7店の前に立てた「がんばろう!あいら」の旗を背景に撮った写真コンテストを実施する予定で、高校生との連携も楽しみだ。そんな中、橋が11月中旬に通行再開との朗報が飛び込んだ。「もちろんうれしいけど、会員との絆も深まってきたので、もうちょっと活動したいかな」。あくまで開通までの時限的な通り会。名残惜しそうな複雑な思いもあるようだ。

 創業97年の川村ふとん店3代目で今では珍しい綿布団の打ち直しをする。加治木町反土で妻、娘と3人暮らし。趣味はソロキャンプで「市比野や霧島の温泉に入ってテントか車中泊で飲む。最近行ってないけどそろそろいい季節かな」

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