〈資料写真〉県警本部
正当な理由なく他人の尻を撮影したとして、鹿児島県警が16日までに、県内の警察官を減給1カ月の懲戒処分にしていたことが、複数の関係者への取材で分かった。卑わいな行為の禁止を定めた県不安防止条例違反の疑いがある。8月に処分されていたが、発表基準に満たない私的な行為での不祥事として、県警は発表していなかった。
南日本新聞は16日朝、県警に対し、「(2024年8月の)再発防止策の策定以降で報道発表されていない事案」かつ「県警が県民に対して説明を要すると考える事案」に合致する不祥事の有無を問う取材依頼書を提出。県警は同日午後3時に「現時点で報道発表する事案はない」と回答した。
警察庁の示す「懲戒処分の発表指針」によると、懲戒処分の発表対象は、私的な行為に関する場合は停職以上としている。
県警不祥事を巡っては、現職警察官の性犯罪や情報漏えいなどが相次ぎ、再発防止策を公表して取り組んできた。(1)職責自覚と高い職務倫理の養成(2)個人情報保護への意識向上(3)的確な指揮統率と組織的対処の強化(4)県民への誠実な姿勢-の四つを柱に掲げた。しかし、再発防止策を進めてきた中でも不同意性交容疑などの不祥事が発覚した。
県警は9月下旬の定例会見では「内容のマンネリ化も懸念される。工夫を凝らし、継続的、多層的に施策に取り組む必要がある」との見解を示していた。