国道10号に″乾かない水たまり″。もう2カ月、水はどこから? 利用者は心配「山崩れが起きるのでは」――国やJR、専門家に聞いてみた

2025/10/18 17:00
JR日豊線の線路下を通って水が流れ出している国道10号=15日、姶良市脇元
JR日豊線の線路下を通って水が流れ出している国道10号=15日、姶良市脇元
 「8月の大雨後、国道10号で鹿児島市から鹿児島県姶良市に入ったあたりに水が流れ続けて水たまりができている。なぜそうなるのか。山肌から出ていると山崩れが起きるのではと心配」との声が南日本新聞に寄せられた。山の沢から続く水路が大雨時に流れ込んだ土砂で詰まっている影響とみられ、JR九州と国土交通省は近く土砂を撤去する方針だ。

 現場は姶良市脇元で、白浜神社から900メートルほど同市寄りの地点。8月7日から8日にかけての大雨から2カ月以上経過した今も、山側から水が流れ出て、車両が水しぶきを上げて通行している。

 姶良市耕地課によると、山手から海側に向かって、わき水や雨水が流れ込むとみられる市の水路(約20メートル)があり、その水はJR日豊線の線路の下と国道10号の下を通って鹿児島湾に排出されている。

 国交省鹿児島国道事務所やJR九州鹿児島工務所は、路面の水たまりについて、JRの線路下の水路などに土砂が詰まり、国道の下の水路に流れずに路上に流れ出ているとみている。

 同工務所によると、大雨の影響で線路やその下に土砂が流れ込んだため、線路を優先して復旧。線路下の除去は10月24日午後10時から25日午前5時に実施する。片側通行止めの交通規制が必要で、施工業者との調整もあったことからこの時期になったという。

 約100メートル鹿児島市寄りの場所でも比較的少量の水が出ており、その現場の土砂は国道事務所が月内に取り除く予定だ。

 山崩れの恐れについて、鹿児島大学の井村隆介准教授(地質学)は「最近の雨の時でも濁った水は出ていないので、元々あった沢の水が出ているとみられる。8月のようなレベルで降らない限り、さらなる大きな崩壊はないだろう。水路の土砂を撤去できれば問題ないと思う」と話した。

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