特別清算開始決定を受けた南国リゾートが運営していた知覧カントリークラブ。営業は継続している=23日、南九州市知覧町郡
鹿児島県南九州市知覧のゴルフ場「知覧カントリークラブ」を運営していた南国リゾート(鹿児島市中央町、福寿健代表清算人)が、鹿児島地裁から特別清算開始の決定を受けたことが23日、分かった。10月8日付。親会社の南国殖産(同市)によると、負債総額は昨年9月末時点で約46億円。ゴルフ場事業は新会社へ譲渡しており、アルバイト含む全従業員約70人は再雇用され営業は継続する。
南国リゾートは2016年12月設立。同ゴルフ場を開業した前運営会社・南国興産が特別清算する際、南国殖産が7割、南国交通(同市)が3割出資し設立され、ゴルフ場事業を引き継いだ。今回の債権者は出資した2社のみ。預託金(会員権)100口超を対象とした。南国殖産は「利用者への影響はない。健全な財務状況を目指して再スタートにつなげたい」としている。
同社によると、新型コロナウイルス禍で利用者が減少した。近年は訪日客を含め利用者は戻りつつあったが、維持管理や人件費がかさみ営業赤字が続いていた。24年9月期の売上高は約4億9000万円、当期純損失は1672万円だった。
5月の株主総会で会社分割による自主再建を承認し、南国殖産と取引のあるセメント卸売業カネキ商店(鹿児島市)が100%出資する「知覧カントリー」(南九州市、樋口勉社長)を7月設立し事業譲渡した。
負債総額約46億円のうち、22億円は知覧カントリーが引き継いだ。南国リゾートは7月31日の株主総会決議で解散。残る24億円は南国殖産と南国交通が債権放棄する。