高波で漁船から投げ出された釣り人――漁船8隻で捜索、無人島に泳ぎ着いた男性に差し出したおにぎり「腹が減ったろう」 海の男の団結と優しさに感謝状

2025/10/24 20:43
感謝状を受け取った日笠山了盛さん(右から2人目)と本里広さん(同3人目)=薩摩川内市上甑町の市甑島振興局(串木野海上保安部提供)
感謝状を受け取った日笠山了盛さん(右から2人目)と本里広さん(同3人目)=薩摩川内市上甑町の市甑島振興局(串木野海上保安部提供)
 小型船から海に転落した釣り人の発見・救助に尽力したとして、串木野海上保安部は鹿児島県薩摩川内市上甑の漁業、日笠山了盛さん(51)らに感謝状を贈った。

 同保安部によると、9月22日に出航した男性1人乗りの船が戻らないと通報があり、捜索したところ無人の船を発見。甑島漁協の組合員らでつくる県水難救済会薩摩川内市里救難所が要請を受け、23日朝から漁船8隻で捜索を始めた。

 日笠山さんが間もなく、里港から約5キロ北東の無人島で白い旗を振って助けを求める男性を発見。無線で連絡して駆け付けた本里広(りこう)さん(51)とともに船で救助した。男性は前日夕方に高波で船から転落し、島まで約200メートル泳いだという。日笠山さんは男性がおなかをすかせていると思い、里港まで移送する間に持参したおにぎりを渡した。

 贈呈式は市甑島地域振興局で10月16日にあり、保安部の原田竜一郎次長が2人にそれぞれ手渡した。甑島漁協にも贈られた。日笠山さんは「捜し始めて間もなく見つかり、ほっとした。無事で良かった」と話した。

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