高市早苗首相が初の所信表明演説に臨んだ24日、鹿児島県関係の国会議員は「強いという言葉を繰り返したのが印象的」「安倍路線の継承が鮮明」などと受け止めた。一方で「政治とカネ」への言及がないことに疑問の声も聞かれた。
自民党の宮路拓馬氏(衆院比例九州)は「『強い経済』や『世界の真ん中で咲き誇る日本外交』という言葉に覚悟がうかがえた」と語る。成長戦略の肝とした「大胆な『危機管理投資』」に関し「リスクや社会課題に官民が一体となって手を打つ。高市カラーが前面に出ている」と評価した。
一方で「経済成長を追い求め、成長神話に酔いしれた演説だった」とするのは立憲民主党の川内博史氏(衆院1区)。「失われた30年を考えれば、再分配の政治へ転換する重大局面にあると思うが、これまでの自民政治の延長線上にある。さらに国家主義的な色合いが強まった」と強調した。
公明党県本部代表の窪田哲也氏(参院比例代表)は「『政治への信頼を回復するための改革に全力で取り組む』としながら具体が見えなかった」と指摘。参院選公約として掲げた給付金の見送りに「生活に困っている人の痛みが分かっているのか疑問。実施にこだわるべきだ」と話した。
無所属の尾辻朋実氏(参院鹿児島選挙区)は、外国人対策をはじめ高市氏が持論を抑えて周囲に配慮しているように感じたという。吉田松陰の言葉を引用しながら「地方の暮らしと安全を守る」と言及した点に着目。「地方を大切にするとの意思は伝わった」と前向きに捉えた。