働くイメージをつかむための委員会活動=鹿児島市のグッジョブキャンパス(画像は一部加工しています)
知的障害や発達障害の若者のための就職予備校「グッジョブキャンパス」が鹿児島市泉町に開設されている。放課後等デイサービスなどを展開するサクラバイオ(同市)が運営。働くイメージをつかみ、自分の特性に合った企業・団体への就職を促す。宮之原綾子社長(49)は「自分の特性を知り、仕事で必要なスキルを身に付けてほしい」と力を込める。
10月2日、キャンパスの一室で、6人の学生がパソコンで資料を作成していた。校内新聞を作る委員会活動の一環。スタッフは「職場で組織に所属し、役割を与えられるイメージを学んでいる」と説明する。
同校は2022年に開校し、現在20人が在籍する。対象は高校や特別支援学校高等部を卒業、または中退して3年以内の10~20代の若者。福祉サービスの自立訓練と就労移行支援を組み合わせて約3年間学ぶ。
授業はコミュニケーションや金銭管理、メンタルケア、ビジネスマナーなど。人との適切な距離感の取り方や相談する力を育み、提携先で職場研修や就職活動も行う。卒業生は同市の病院やホテルで働いている。
知的・発達障害の若者は、自身の特性と合わない職場に就職したり、人間関係がうまく築けなかったりして離職し、社会参加できなくなるケースが少なくないという。宮之原社長は「自分らしく自立した人生を歩むために、働く前の準備を整え、人としての土台をつくる時間にしてほしい」と話した。