処女作「なごり雪」、2作目が「22才の別れ」…徹夜もいとわず注いだ情熱「まさか半世紀後も口ずさんでもらえるとは」 ライブを控え伊勢正三が語った「忘れられない鹿児島の味と風景」 23日・宝山ホール

2025/11/16 15:03
伊勢正三
伊勢正三
 「伊勢正三プレミアムライブ2025~ささやかなこの人生」が23日、鹿児島市の宝山ホールで開かれる。歌い継がれる「22才の別れ」が世に出て50年。歌への思いや鹿児島について聞いた。

 -「なごり雪」「22才の別れ」と時代を超えて多くの人に歌われる曲をどう感じていますか。

 「私がもうすぐ、22歳を迎える秋のこと。まさか半世紀後にもまだ人々に口ずさんでもらえる歌になるとは、つゆぞ思わず…書き上げた処女作が『なごり雪』、第2作目が『22才の別れ』でした。初の作品に期待を寄せてくださる皆さまに、必ずや応えるという信念の下、徹夜もいとわず、わが人生で一番クリエーティビティーにあふれた日々でした」

 「ワインでも、若すぎたり渋すぎたりしたものが、時の熟成を経て、味わいのあるものになる…。焼酎や泡盛もしかり。作り手とは、誰かのダレヤメになってほしい一心で、弛(たゆ)まぬ情熱を注いだ結果、喜ばれるものになるのが何よりのご褒美ではないかと…。今になって思うのです」

 -今回、鹿児島のファンに届ける思いを。

 「ミュージシャンは、特に心地良かったライブをずっと心の中に仕舞(しま)っているものです。中でも宝山ホールの響きは格別で、ちょっとした異国情緒ある南九州ならではの空気感をまとった客席の温かみの中に、僕の音楽が溶けてゆく感覚は、何度訪れても、その都度楽しみ以外の何物でもありません」

 「6年前の冬でした。本番の前夜に食べたキビナゴの素揚げがずっと忘れられず、悶々(もんもん)としていたことを告白します。初夏だったと思うけれど、去年来た時には巡りあえなかったその味に、今年は11月末…と思うと、もうワクワク感しかないです」

 「もちろんしっかりと、コンサート本番当日に向けて、通常よりリハーサルの日を多めにして臨むこの気持ちは高まる一方です。今でも根強く『風』時代の楽曲を慕っていただける皆さまのご期待に沿えるべく、セットリストを整え、皆さまとまた一つになれる喜びを胸に抱き、公演当日を楽しみにしています」



 コンサートは午後5時開演。全席指定8000円、各コンビニで発売中。未就学児は入場不可。鹿児島音協=099(226)3465(平日午前9時~午後5時)。

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