後半、ゴールに迫る鹿城西イレブン=白波スタジアム
第104回全国高校サッカー選手権鹿児島県大会は16日、鹿児島市の白波スタジアムで決勝があった。
神村学園が鹿児島城西を3-0で破り、2年ぶり12度目の優勝を手にした。神村は全国大会(12月28日開幕・首都圏各地)に出場する。組み合わせ抽選会は17日にある。
【戦評】攻撃力に勝る神村が終始主導権を握った。FW徳村が前半12分に先制し、29分にはFW倉中が頭で決め2-0で折り返す。後半はセットプレーから3点目を決めた。鹿城西は6本シュートを打ったが阻まれた。
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理想のゲームプランが前半の失点で狂ってしまった。鹿城西は、負傷を抱える絶対的エースFW大石を先発から外して、後半勝負を狙った。しかし序盤の誤算もあり、思惑通りの展開に持ち込めなかった。
試合の入りは悪くなかった。ロングスローからのヘディングや、FW境のミドルシュートで神村ゴールに迫る。ただ直後に先制される。前半29分にも相手の得意な形から追加点を決められた。
「先に失点してプランが崩れた。立て直す力が足りなかった」と重盛主将。2点を失い、FW大石やMF別府を投入。後半には競り合いに強いDF浮邉も前線に上げて打開を図ったが、最後までゴールに届かなかった。
力強いボールキープなどで存在感を示した大石は「けがは関係ない。結果を残せなかった自分の責任」と言い訳はせず、静かに涙を流した。
2年連続の全国舞台は逃したものの、力のあるチームに間違いはない。プリンスリーグ九州では首位をひた走り、高校年代最高峰のプレミアリーグ昇格の可能性は残る。
新田監督は「最後まで諦めないのが城西。悔しさを忘れず、後輩にしっかり財産を残そう」と選手に奮起を促した。