9日、カタール・ドーハで立ち上る煙(ロイター=共同)
【カイロ、ワシントン共同】イスラエル軍は9日、カタールの首都ドーハでイスラム組織ハマス幹部らを狙った空爆を実施した。ハマスによると、パレスチナ自治区ガザの停戦交渉で交渉団トップを務めるハイヤ氏の息子らメンバー5人が死亡した。米国が新たに提示した停戦案を協議中で、ハイヤ氏本人は生存していると主張している。ほかにカタール治安部隊要員1人も犠牲になった。
イスラエルのネタニヤフ首相は9日の演説で、ハマス幹部らの排除はガザでの「戦闘終結につながる」と正当化したが、停戦交渉を仲介するカタールは「国際法違反の犯罪行為だ」と反発。ハマスの態度硬化も避けられず、停戦交渉の先行きは一層不透明になった。
レビット米大統領報道官は9日の記者会見で、空爆がドーハで実施されたことについて、トランプ大統領が「非常に残念に思っている」と述べた。イスラエルからの事前通知の有無は回答を避け、米軍を通じて直前に把握し、即座にカタール側に連絡したと説明した。