『愚か者の身分』釜山映画祭で北村匠海・林裕太・綾野剛がそろって「最優秀俳優賞」の快挙 スタジオTHE SEVENが快進撃

2025/09/29 17:00
『愚か者の身分』で「第30回釜山国際映画祭」のBest Actor Awardを受賞した林裕太
『愚か者の身分』で「第30回釜山国際映画祭」のBest Actor Awardを受賞した林裕太
 アジア最大規模の映画祭「第30回釜山国際映画祭」の授賞式が最終日となる26日に行われた。日本の新鋭スタジオ「THE SEVEN」が初めて製作から配給まで一貫して手がけた映画『愚か者の身分』から、北村匠海、林裕太、綾野剛の3人がそろってBest Actor Award(最優秀俳優賞)を受賞した。主要キャスト3人同時受賞は快挙ともいえる異例のことで、本作が国際的に強く評価されたことを証明した。

【写真】北村匠海&綾野剛とともに「Best Actor Award」を受賞した林裕太

 本作は、第二回大藪春彦新人賞受賞作の西尾潤氏の同名小説を映画化。永田琴監督が描くのは、愛を知らずに育った3人の若者が“闇ビジネス”から抜け出そうとする3日間の逃避行。貧困や裏社会というシビアな現実を背景にしながら、女性監督ならではの繊細さと力強さを兼ね備えた演出が、観客の心を深く揺さぶった。9月の世界初上映では温かい拍手に包まれ、今回の受賞につながった。

 受賞を受け北村は「率直に3人で穫るっていうのが、すごいこと」と感激し、綾野も「3人で1人の感情として捉えてもらえたことがとても嬉しい」とコメント。授賞式に参加した林は「まだ実感がわかない」「僕たちの作った映画が釜山で評価され、称賛され、それが形になったっていうのがすごく嬉しい」と喜びもひとしおだった。

 その前日、THE SEVENが手がけるもう一つの注目作であるNetflixシリーズ『今際の国のアリス』シーズン3も、全世界独占配信がスタート。日本発の作品が、映画と配信の両輪で同時に国際舞台を席巻するという状況となった。

 さらに、27日には“TBS×U-NEXT×THE SEVENグローバルプロジェクト”として、日本のコンテンツ業界を牽引する3社初タッグでの共同プロジェクトを発表。世界で高い注目を浴びている“時代劇ジャンル”で壮大なスケールの“ジャパニーズソード・アクション・エンターテインメント”が制作される。

 2022年にTBSホールディングスの出資により設立されたTHE SEVENは、300億円規模の制作予算をもとに世界水準の企画開発を推進。チーフ・コンテンツ・オフィサーにはNetflix『今際の国のアリス』『幽☆遊☆白書』を手がけた森井輝氏を迎え、グローバル展開を本気で狙う布陣を整えている。

 設立からわずか数年で、国際映画祭の栄誉と世界同時配信の成功を両立させたTHE SEVEN。さらに現在も複数の大型企画が進行中であり、オリジナル作品の展開も待ち構えている。

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