秋の花粉症にNGな食べ物は「キュウリ」「メロン」「バナナ」? 春に使った薬の再利用はOK? 医師が解説

2025/09/30 09:10
秋の花粉症、意外な食べ物に注意!
秋の花粉症、意外な食べ物に注意!
 花粉症といえば春に注目されがちだが、「秋の花粉症」にも注意が必要だ。春のスギ・ヒノキの花粉とは違い、秋の花粉はブタクサ、ヨモギなど。実は飛ぶ花粉の大きさも違えば、症状、気をつけるべき食べ物まで違うとか。この秋の花粉症の注意点や薬の流用など、気になるポイントをクリニックフォア・総合内科の古田みのり先生に聞いた。

【画像】秋の花粉症はこれに注意!NG食べ物一覧も

■花粉症、春と秋の違いは? 粒子が小さいため咳・喉の違和感が出やすい

――そもそも、春と秋の花粉症は違うのでしょうか?

 「春と秋の花粉症は、“くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみ”などの症状は共通していますが、原因となる花粉や発症の仕方に違いがあります。春に飛散するスギやヒノキは粒子が大きく大量に飛ぶタイプの花粉ですが、秋はブタクサ、ヨモギ、カナムグラなど、粒子が小さく、室内に侵入しやすい花粉が中心になります。そのため、鼻や目の症状に加えて咳・喉の違和感などの症状が出やすいとされています」

――今年の秋の花粉症の傾向と対策とは?

 「今年は全国的に秋花粉の飛散量が例年以上となる見込みで、とくに西日本・東海・関東では注意が必要です。ピークはこれからですが、粒子が細かい分、窓の隙間から入ったり洗濯物に付着したりしやすいので、室内に花粉を持ち込まないよう対策をしたり、すでに秋花粉症の自覚がある方は早めにお薬の服用を始めるのがおすすめです」

――家庭でできる花粉症対策を教えてください。

 「ポイントは“入れない、ためない、洗い流す”の3つです。窓の開放は短時間を心がけて、洗濯物は室内干しがおすすめです。“ためない”という意味では空気清浄機の活用が効果的です。あとは帰宅したら、しっかりとうがいを行ったり、を洗ったり、できればシャワーを浴びるなどして身体に付着した花粉を洗い流してください」

――生活習慣で気をつけることはありますか?

 「基本は規則正しい生活。睡眠や食事、適度な運動などで免疫を高めることです。食事では、ヨーグルト、納豆、味噌などの発酵食品で腸内環境を整えることも免疫向上につながると言われています。また、青魚などに含まれるオメガ3脂肪酸は体内の炎症を抑えてくれます。ビタミンC・Eを含む野菜や果物、ナッツ類で抗酸化作用を取り入れることも良いとされています。これらはサプリメントで補うのもOKですが、あくまで食事の補助とお考えください」

――逆に、気をつけなければならない食べ物はありますか?

 「あります。一部の果物や野菜でもアレルギー症状を起こすことがあります。これは口腔アレルギー症候群といって、花粉に似た構造のアレルゲンを持つ食品を食べると、途端に口のかゆみや喉の違和感が出ることがあります。春の花粉症ではバラ科の植物(いちご、桃など)、豆、アーモンドなどに反応し、秋の花粉症ではウリ科のメロン、スイカ、キュウリ、ズッキーニなど。他にバナナ、キウイ、セロリ、ハーブ、カモミール、セージなどを食べた際に、口の中のかゆみ、喉の違和感、唇の腫れが起きることがあります。症状が出たら食べたものを記録し、医師に相談してください。血液アレルギー検査で調べることができます」

――秋の花粉症の治療法や処方薬は春と同じでしょうか?

 「基本は春の花粉症と同様に、抗ヒスタミン薬、点鼻薬、点眼薬などで症状をコントロールします。オンライン診療で処方が可能です。特に毎年秋に同じ症状が出る方や、仕事・学業で通院が難しい方にとっては有効な選択肢です。アレルギーの診断には最終的に血液検査などが必要になるので、対面で受診いただくこともあります。飛散量が増えると、それに伴って例年より症状が強く出る方もいます。その場合、処方薬を変えることで改善することもありますので、今年のように飛散量が多いことが見込まれ、いつもの薬が効かない、という時にはお気軽に医師に相談するといいでしょう」

──ちなみに、春に処方された花粉症の薬を再利用するのは…?

 「成分としては、春に処方する花粉症のお薬は秋の花粉症にも効くので、理論的には、使用期限内であれば症状が改善することがあります。ただ一度開封した点鼻薬や点眼薬は、雑菌が混入しているリスクがあるので避けた方が良いです。また、症状の強さや体調の変化など、現在の症状に適したお薬に調整する必要があるため、シーズンをまたいでの使用は推奨できません。確実に安全とはいえないので、手元に残っているお薬を季節をまたいで使用する場合、特に妊娠・授乳中や、持病のある方は、必ず医師・薬剤師に確認するようにしてください」

【監修】
古田みのり
群馬大学医学部を卒業後、臨床研修を経て群馬大学医学部附属病院脳神経内科に入局。神経変性疾患を中心とした診療・研究に従事。その後、プライマリケアに興味を持ち、現在はクリニックフォアで主に総合内科、皮膚科のプライマリケアを行っている。

(文:衣輪晋一)

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