〈春の九州高校野球鹿児島県予選〉鹿児島工が20年ぶり決勝進出、大応援団を力に「勝利へ執念」 頂点懸け神村学園と対戦 きょう正午プレーボール

2025/04/05 10:11
タイブレークの10回表鹿工1死一、二塁、小林の二塁打で二走三浦が生還=平和リース
タイブレークの10回表鹿工1死一、二塁、小林の二塁打で二走三浦が生還=平和リース
 第156回九州地区高校野球大会鹿児島県予選は4日、鹿児島市の平和リース球場で準決勝2試合があった。神村学園は出水中央に7-4で勝利。鹿児島工は延長タイブレークの末、鹿屋中央を4-3で破った。

 最終日は5日正午、同球場で決勝がある。優勝校が九州大会(19~24日・長崎県)の出場権を得る。

■鹿児島工、身上の粘りで延長制す

 スクールカラー紫の大応援団が、この日も沸いた。ノーシード鹿工は延長タイブレークの末に、強豪私立の鹿屋中央を撃破。幾度も得点圏に走者を背負いながら最少失点に抑え、打撃ではここぞの場面で全集中。身上の粘りを発揮、20年ぶりとなる春の決勝に駒を進めた。

 2-2で迎えた延長10回。1死一、二塁で3番小林は内角にヤマを張った。初球。腕をたたんで放った打球は、バックスクリーン方向へ上がった。中堅手の打球の追い方を見て、二走三浦と一走堂園がスタート。ともに勝ち越しのホームを踏んだ。

 接戦に持ち込めたのは、エース不笠の好投があったからこそ。仲間が「球の出どころが見えづらい」と口をそろえる投球フォームで躍動。縦の変化球と120キロ台の直球を巧みに使い、9回まで2失点。不笠は準決勝を含めて全5試合に登板し、493球を投じた。

 右翼手中村や遊撃手樋口ら野手陣も、好守備でもり立てた。捕手の外薗は「エースの粘りに応えたい思いが結果に出た。うちは気持ちの強い選手ばかり」と自信を見せる。

 試合を重ねるごとに、スタンドとの一体感も高まってきた。殊勲打を放った小林は「応援を見ると力が湧いてくる。勝利への執念を見せたい」。決勝でも鹿工旋風を巻き起こす。

■神村ナイン、逆境に奮起

 逆境が神村ナインを奮い立たせた。4回に追いつかれ、7回に1点リードを許す展開。それでも焦らず、終盤だけで4点を奪い試合を決めた。

 3-4で迎えた7回裏、1死一、二塁の好機。「野手陣が打撃で助ける」。2番入耒田が、強い覚悟と冷静さを保って左打席に入った。外角の直球を引っ張り、同点打でチームを鼓舞する。

 3番川崎が放った右翼への打球が敵失となり、さらに2点を追加した。「逆転されてから全員の心が一つになった」と川崎。勝ち越しの二塁打を打たれたエース早瀬は、野手陣の奮闘に感謝した。

 小田監督は「出水中央の食らいつく姿勢がうちにはなかった」と相手をたたえつつ、チームの課題を指摘。「うちの選手は勝って反省できる。次もやるべきことを徹底する」と決勝を見据えた。
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