【2025夏の甲子園】惜敗したが「守備の神村」を見せた――赤一色のアルプススタンド、1000人超が選手の健闘たたえる

2025/08/14 06:30
7回裏、神村学園の初ヒットに沸き立つ一塁側アルプススタンド=13日午後3時ごろ、兵庫県西宮市の甲子園球場
7回裏、神村学園の初ヒットに沸き立つ一塁側アルプススタンド=13日午後3時ごろ、兵庫県西宮市の甲子園球場
 全国高校野球選手権大会第8日目の13日、鹿児島代表の神村学園は「守備の神村」を存分に発揮し、長崎代表の創成館と互角の戦いを見せた。一塁側スタンドは1000人を超える応援団で赤一色。1点が届かず惜敗したものの、気迫あふれる選手たちに惜しみない拍手が送られた。

 試合は6回まで両チーム無得点。ベンチ入りした俣木清閏選手の妹、小乃香さん=神村学園中1年=は、きょうだいそろって“出場する”甲子園は最初で最後。チアリーダーの一人として人一倍声をからし「応援が楽しい」と笑顔を見せた。野球部3年木下蓮太朗選手は「守備からリズムをつくって1点をもぎ取りたい」と信頼感をにじませた。

 均衡が破られた7回。創成館に先制点を許したが、その裏すぐさま、西原維吹選手がセンター前にヒットを放つと、応援団は一斉にメガホンを打ち鳴らした。

 一番の盛り上がりは9回表に迎えた2死三塁のピンチ。小学生から神村の野球に憧れていたという捕手の山本瞬選手がベンチ席に突っ込みながらファウルフライをつかむと、スタンド席のチームメートらは「よーし」と拳を突き上げた。

 惜敗したものの、1年生から甲子園メンバー入りし、当時主将の兄とともに聖地の土を踏んだ今岡拓夢主将の父純さん(47)は「重圧もある中、4回目の甲子園に連れて行ってくれて感謝しかない」と息子をたたえた。保護者会長の中村雄一さん(44)は「幸せな時間をありがとう。よくやった」と選手らの暑い夏をねぎらった。
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