後半、シュートを放つ鹿児島Uの福田=白波スタジアム
明治安田J3は3日、各地で第11節があった。鹿児島ユナイテッドFC(鹿児島U)は鹿児島市の白波スタジアムで奈良に1-2で敗れ、9試合ぶりの黒星を喫した。通算成績は4勝5分け2敗で勝ち点は17のまま。暫定順位を3位から7位に下げた。
鹿児島Uは、GK山内の好セーブや粘り強いディフェンスで前半を0-0で折り返す。後半、開始直後に先制点を許し同24分にも失点。2点を追う鹿児島Uは後半28分、FW福田がゴールを決め、その後も攻勢を強めたが届かなかった。
次節は6日、敵地で琉球と戦う。
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決定力の差が勝負を分けた。鹿児島Uは前後半でシュート13本を放つも1点にとどまった。最後まで猛攻を見せる選手たちは、ホイッスルが鳴るまで白波スタジアムを沸かせ続けた。だが、約7300人のサポーターの前で2点目を奪えなかった。
試合が動いたのは後半開始直後。奈良のカウンターで先制点を許す。その22分後もディフェンスの背後を突かれて失点。相手には5本で2点を許した。
劣勢で下を向く選手は、鹿児島Uにはいない。後半28分、右サイドバック青木がオーバーラップし、中央へクロス。ゴール前のFW福田が左足で丁寧に押し込んだ。攻撃の起点となった青木は「ゴール前に出せば、誰かが決めてくれると信じていた」。強い信頼が生んだゴールだった。
「あと1点」。追加タイムの8分間も攻勢は続く。途中出場したFWンドカのシュートは左ゴールポストに直撃。その後、MF山口がこぼれ球に反応する場面もあったが阻まれた。その闘志に満ちた姿勢は、ファンの心に届いたようだ。試合後、選手が見えなくなってもハリセンの音は会場に響いた。
シュート成功率が高まれば、おのずと勝機は見えてくる。相馬監督は「普段よりもチャンスはつくれていた。粘り強くやるしかない」と悲観はなかった。