無人駅活性化のモデルに――JRとJクラブがタッグ、「喜び入る駅」に人を呼び込め 専用練習場へ行ける自転車貸し出しもスタート #鹿児島市 #鹿児島ユナイテッドFC

2025/08/22 15:07
JR喜入駅に整備されたコミュニティースペース=鹿児島市喜入町
JR喜入駅に整備されたコミュニティースペース=鹿児島市喜入町
 鹿児島市がJR九州と連携し2024年度から進めていた、喜入駅を活用した交流拠点整備が完了した。改札前の待合所を木の椅子やベンチが並ぶコミュニティースペースに改修。電動レンタサイクル2台も配備し、喜入地区にある中世の面影を残す旧麓(もとふもと)やサッカーJ3の鹿児島ユナイテッドFC(鹿児島U)の専用練習場などへ、駅を起点にした回遊も期待される。

 5年前に無人駅となった駅舎には4月、事業の一環で鹿児島Uの運営会社などがカフェ「ゆなべーす喜入」を開設。3時間1000円で利用できるレンタサイクルの貸し出し業務も担う。鹿児島Uの練習施設に駐輪場がないが、レンタサイクルは止められる。

 市喜入支所によると、コミュニティースペースは約16平方メートル。木製ベンチ4台は、地元の小中学生と保護者ら約20人がやすりがけや塗装をして仕上げた。喜入町の会社員浜田歩美さん(46)は「ゆなべーすがあるから駅に行くという人も増えた。さらに人が集える場所になった」と喜んだ。

 20日にお披露目式があり、地元の子どもたちが書道パフォーマンスで「喜び入る駅」とダイナミックに書き、門出を祝った。下鶴隆央市長は「拠点整備で、魅力あふれる喜入地区の回遊性向上が図れる。地域内外に広く親しまれる駅にしたい」とあいさつ。JR九州鹿児島支社の海老原毅支社長は「参考にしたいという県内自治体の声もある。無人駅を沿線の地域活性化の拠点に活用してもらえたら」と述べた。