校訓の「かしこく やさしく たくましく」を掲げる清水小学校の校舎=鹿児島市清水町
<山松高き清水城>と歌い出すように、清水小学校の北側には1387年に島津家7代元久が築城した清水城跡がある。校区には<英俊眠る>福昌寺跡や、<真清水>が湧き出ている仁王堂水源地など名所が多く、長い歴史を感じさせる。
校歌は1929年に制定。作詞は第七高等学校造士館(現鹿児島大)の教授で、子どもが清水小に通っていたとされる佐々木信香。作曲は、「赤とんぼ」「待ちぼうけ」などの童謡で有名な山田耕筰が手がけた。
創立100周年記念誌によると、佐々木が山田と面識があった縁で実現した。山田は同年4月に校歌を指導するために学校を訪れており、当時の校長らと並んだ写真やサインが残る。卒業生の有川勝美さん(75)は「テンポが良く、勇ましい曲調。有名な方が作曲してくれた校歌は誇りだ」と胸を張る。
歌が5番まであるため、行事では1、2、5番が歌われる。詞に登場する場所を訪ねたという5年の政凜々花さんは「歌うと清水城が思い浮かぶようになった。これからも大切にしたい」と話した。
■メモ 1912年に清水尋常小学校として創立。伝統行事である「錦江湾横断遠泳」は17年に始まり、太平洋戦争による中断を経て、今年で71回目を迎えた。60年代には2000人以上の児童がいたが、現在は472人に。校訓は「かしこく やさしく たくましく」。
●鹿児島市立清水小学校校歌
作詞・佐々木信香
作曲・山田 耕筰
一
山松高き 清水城
仰ぐもゆかし 城跡に
星霜うつる 四百年
英俊眠る この里の
霊気ただよう 聖域ぞ
わが学舎の あるところ
二
古ここに 芽生えして
代々の偉人を 生み出でし
その魂の 発祥地
源遠き 真清水の
尽きせぬ流れ むすびつつ
集う我らの 気高さよ
五
玉龍緑 かげうつす
稲荷の川の 川ぐまや
郷土の誇 抱きつつ
進みゆく世を せおいなむ
栄えよ栄えよ とことわに
その名も清き 清水校